DMO

観光庁:「観光地域づくり法人の登録制度に関するガイドライン」の公表(2020/4/15)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001340677.pdf

「世界標準のDMOのあり方に関する検討会」を受けて制定
   *「日本版DMO」の名称を 「登録DMO(観光地域づくり法人)」に変更
   *地域の稼ぐ力を引き出す
  ①観光地域づくり法人の役割の明確化 
     ・地域の合意形成に主導的な役割を果たすことを徹底
     ・着地整備(観光資源の磨き上げ、受け入れ環境整備)を最優先に取り組む
     ・プロモーションは戦略的に実施(JNTOを最大限活用し効率的に実施)
      →科学的なアプローチ(データに基づく戦略策定)を取り入れ、
       マーケットインを徹底するための外国人目線を持ち、
       地域の多様な関係者を巻き込みつつ合意形成を図る体制を構築する
      →取組の企画立案+関係者への合意形成+資金調達+予算執行管理+スケジュール管理
       +PDCAサイクルの実施などのプロジェクト・マネジメント機能が求められる
      →「持続可能な観光地域づくり」、閑散期対策などの需要の平準化といった
        観光地域全体のマネジメントの観点にも留意する必要がある
      →災害時の訪日客への情報発信や安全・安心対策について自治体などと連携し取組む
      →着地型商品の造成・流通・販売やランドオペレーター業務
  ②各層の観光地域づくり法人の役割及び役割分担の整理
     ・地域連携、地域DMOは、着地整備の徹底に最優先に取り組む
     ・自治体は 社会資本制整備(景観、道路、空港)、多言語看板に設置⇒ハード面
       条例などの法制面での整備
     ・広域連携DMOは、広域的廉潔性のあるコンテンツを開発し着地整備
     ・各層の観光地域づくり法人は、取り組みの効果検証で定期的棚卸→選択と集中
     ・JNTOとの連携 海外ネットワーク、デジタルマーケティングツールを最大限活用
        ⇒写真・動画などの素材やツールを作成(JNTOはそれを一元的に発信)
        ⇒データ分析・調査に関し 来訪者の属性。来訪者理由等の現状評価
     ・地域関係者との連携(飲食、宿泊、交通、文化財、国立公園、農泊、
                アクティヴィティー、農林水産業、商工業者の関係者) 
        ⇒旅行者ニーズに対応した旅行商品や特産品の開発、域内交通アクセス整備
     ・地域住民との連携
        ⇒活動の意義、内容、成果、KPI達成状況などの説明責任 事業報告書の作成
  ③登録要件の厳格化
     ・合意形成の仕組み(観光地域づくり法人の主導的な役割確保の徹底)
     ・組織体制(登録前DMOの法人格取得を義務付け)
     ・KPIの状況確認、PDCAサイクルの実施(観光庁への報告の徹底)
     ・地域経済、社会の状況を分析した事業報告書を作成し、地域住民に説明・共有
     ・安定的な財源確保(CFO設置の義務付け)
     ・登録取消し規定の創設
     ・形成計画を原則観光庁HPで公表
       https://www.mlit.go.jp/kankocho/page04_000078.html
  ④更新登録制の導入
     ・更新期間3年 新要件を満たさない場合は取消
     ・候補法人に登録してから3年を経過しても本登録しない観光地域づくり法人は取消
     ・4月に公表・施行
     ・登録要件 
       1.合意形成 ①意思決定できる立場での関係団体の代表者が参画
              ②行政や関係団体をメンバーとするWG等の委員会を設置
              *役員の過半以上が地域の関係者で占められている
       2.データ分析とCHECK機能  ①各種データの継続的な収集・分析
                      ②戦略の策定
                      ③KPIの設定、PDCAサイクルの確立
           *データ:延べ宿泊者数、旅行消費額、来訪者満足度、リピーター率
                WEBサイトアクセス状況、住民満足度
           *戦略に於いて設定するコンセプトは地域の強みや魅力を端的に表現
           *戦略策定に当たっては、GSTC-Dを参考にする
       3.関係者との調整に関する仕組み作り
           *地域関係者への業務支援を通じて、戦略を関係者で共有
           *観光資源、地域が提供するサービスの品質管理、評価体制を構築
           *観光客に対する戦略に基づいた一元的な発信、プロモーション
       4.観光地域づくりの法人組織
           ①法人格を所有していること
           ②意思決定の仕組みが構築されていること
           ③専門人材が存在すること(CMO,CFOの設置)
       5.安定的な財源確保(CFO設置の義務付け)
           →自主財源(特定財源 地方税、宿泊税、入湯税「)、
            公物管理受託、収益事業、行政補助金
  ⑤国の支援
     ・国は情報提供、体制強化、事業支援を行う。特にインバウンドは重点的に支援

「重点支援DMO」32法人を選定 2020/8/3
   北海道:4 阿寒観光協会まちづくり推進機構、ひがし北海道自然美への道 等
   東北 :5 八幡平DMO,かまいしDMC 等
   関東 :2 大田原ツーリズム等
 *ひがし北海道自然美への道DMO(2020/5/25 トラジャル)
    登録基準厳格化地域の自立性が問われている
    欧米との差が歴然=DMP(destination marketing plan)
         →ターゲットセグメントとパーフォーマンススキル  
    「稼ぐ仕組み」戦略的マーケティング→OTA販売→プロモーション→WEBプロモーション
    総括=ガイドラインを魂が入ったものに切り替える論点
      ①マーケティングからスタートし戦略プロモーション販売との循環機能
      ②DMPにも至るパワーアップした機能
      ③その原動力、宝となる人財から自律性へ

「世界水準のDMOのあり方に関する検討会」 2018/12/8,13(観光経済新聞)
  ①田辺市熊野ツーリズムビューロー 収入=市の観光プロモーションと着地型旅行事業収入
       →観光消費に伴う地域の経済循環に関する分析が今後の課題
  ②信州いいやま観光局 収入=自治体の指定管理者制度で運営する観光施設の売上が8割
       →信越トレイルは訪日客の申し込みが多いが日々のオペレーションの人材が不足
  ③長崎国際観光コンベンション協会 循環するビジネスモデルの構築が不可欠
     3つの柱①DMO自ら稼ぐ 収入の6割を事業収入(売店と企画商品)
         ②事業者支援そのぎ茶を活かした商品開発支援 夜間観光
         ③ストレスフリー 外国旅行者、MICEの受け入れ整備
 「地域の関係者間のマネジメント」
  ①八ヶ岳ツーリズムマネジメント
     三位一体⇒観光地域づくりマネージャー(観光圏整備法で、観光庁の研修を受けた)
            地域住民の合意形成に貢献 ワークショップなどの実施
          当法人の理事、
          行政の担当者で合意形成
  ②秩父地域おもてなし観光公社
     既存の組織(自治体、観光協会)とは役割分担し、実施していない事業のみを行う
     ⇒農泊を中心とした修学旅行誘致、広域レンタサイクル、各種ガイド、案内人連携組織
  ③山陰インバウンド機構

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地域素材の事例
https://ahupuaa.site/tabinaka/

アトキンソン氏(2019/1/22 WING TRAVEL)
早急に対処するべき課題(外国人が楽しめる仕様に変える)
 *小売店、飲食店、、宿泊施設が一体となったインバウンド対応
 *交通機関における非常時の多言語情報提供
 *農泊地域のインバウンド対応の加速化
 *文化財において外国人に伝わるような多言語対応の整備
 *国立公園におけるビジターセンターのインバウンド機能強化
展開すべき課題
 *夜間公開(博物館、美術館の開館時間延長)、夜間観光、ライトアップ、
 *体験型コンテンツの充実、インフラツーリズムの推進、国立公園施設の民間活用
 *泊まって楽しむ体験型宿泊施設(古民家、城)

DMO=地域経済循環のエンジン 観光による地域経済循環と観光地経営組織
   DMOの組織の経営は体系化されているが、観光地域の経営は体系化されていない

DMOの財源 行政の一般会計に依存(観光目的の特定財源+事業収益)
  (観光協会の財源 公的6割、民間23% (世界は公的が9割))
 循環の考え方:HWI(HTA) HWI州法で$8千万ドル→DMO→市場
        フロリダ州オレンジ郡 MICE TOT

DMOの望ましい在り方 高橋一夫教授(近畿大学)
 ①官民共同で設立され、地域に持続的な経済効果をもたらす組織であること
 ②観光行政との役割分担のもと、与えらた権限に伴う結果に責任を持つこと
 ③観光地経営に伴う専門性を持つ人材によって経営・業務執行がなされること
 ④多様で安定した財源を確保し、ステークホルダーとの良い緊張関係を保つこと
 ⑤観光関連事業者だけでなく、農林水産業・商工業関係者など地域づくりに参画する
  様々な担い手と関わりを持つこと
 *更に、行政とDMOと民間(観光関連事業者)の役割分担を明確にした上で、
  日本版DMOの「権限と責任の明確化」が不可欠と指摘している

DMO構築の3つの流れ 
 ①観光協会の機能強化
 ②観光協会とは別に組織
 ③後者に業務委託

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米村猛氏(観光経済新聞 2018/8/11)
良いDMO ①関係者の意見を反映できる「体制の整備」
     ②調査結果などを有効に使える「データ活用の意欲」
     ③プロモーションだけでない「観光資源の磨き上げの執念」
     ④外国人目線をどれだけ考えられるか。
欧米の取組 ①マネージャーの確保 ②高度な分析調査による効果的なマーケティング
      ③KPIを駆使した経済の見える化
      ④関係者との関係構築

困っていることは何ですか?
 *広域連携の問題 →役割分担 フリーライダーの問題 誰が受益者か?
 *人員不足 出向が多くプロパーが少ない 専門人材の不足
 *ノウハウ不足
 *予算不足~広島県の指摘(観光経済2018/2/19 石森)~DMOの課題
   ①法的位置付けがなく、観光地経営の権限がないこと
   ②現在のDMOの事業費(国費)が時限的で、安定した特定財源がないこと
   ③受益者(特に宿泊事業者)によるガバナンスを効かせる仕組みがないこと
    (受益者からの賦課金徴収による受益と負担の原則の観点から適切なガバナンスの確保)
   →日本版TID法(仮称)の制定を国に対して提案している

   米国 1992年にTID(Tourism Improvement Distirict:観光改善地区)制度導入
      財源確保の不安定性解消のため、宿泊収入から一定割合の賦課金(tourism levy)を
徴収する制度
   DMOは、情報開示と説明責任がある
   DMOのビジネスモデル ROI=来訪者消費額/税金の投入額
                 域内納税額 サービス対価 法定目的税
      観光ROI=①因果関係の証明 観光により地域経済を正のスパイラルで回す
           ②投資回収期間 投資の提供と回収
   財源 3分の1ルール 公的、民間、自ら がそれぞれ3分の一
      会費:ステークホルダー毎にKPIを示して会費を調達
      DMOG(政府ガバナンス/観光行政に一般財源が有るから)から自律型DMOへ

危機管理計画
  *米国DMO業界団体(Destination international)
危機管理策定は、DMAP(destination marketing application program)
= DIによる観光地域認証制度の必須事項

観光協会 ①PR ②イベント ③観光案内所
DMO   権限+専門性+マネジメント機能 →成果
  (熱海市は DMOを行政から独立させ 権限を与える条例を作ろうとしている)

地方のコンテンツ(特にインバウンド)
  *観光資源
  *受入態勢 多言語表記 多言語案内用タブレット、無料WIFI、トイレの様式化、
        全国ICカード、QRカード決済の導入
  *連携意識

国の窓口
 *国土交通省ー観光庁ーDMO
 *環境省ーーー国立公園
 *文化科学省ー文化庁ー文化財の観光資源

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Destination NEXT

観光地の実力を見える化 MMGY Next Factor社が米国のDMO団体であるDI財団(DESTINATION INTERNATIONAL)と共同で開発
・地域評価を2つの軸(観光地域の魅力の程度、地域連携の強さ)で4つの区分で表現
  ①trailblazers 2 mountaineers 3 voyagers 4 explore
https://destinationsinternational.org/

TXA(AUS企業が開発した旅行プラットフォーム)
 →八戸DMO TXJシステムを国内で初めて構築 物産販売機能を強化
 →海外OTAと接続 OTAを訪れた海外の消費者は八戸圏域の各事業者から提供された宿泊、飲食、地域産品、体験メニューなどを一括して予約、購入、決済できる
 →発信力の弱い地方の事業者はこのシステムで海外の顧客と直接つながり販売機会を広げられる

JTBアメリカス、ホテル向けSaaSプラットフォーム提案開始 <br>~北米の有力企業Intelity Inc.とのパートナーシップ締結~|JTBグループサイト (jtbcorp.jp)

https://press.jtbcorp.jp/jp/2020/07/jtbsaas-intelity-inc.html
DMO デジタルマーケティング   travel journal(2019/4/22)

JNTOー information transmission 
・デジタルテクノロジーを活用した情報発信チャネルの強化・拡大
→サイトを スマートフォンからのアクセスに適応するデザインと機能を前提に設計しなおす
→各海外事務所のサイトやSNSも JNTO本社でデザインや書式を管理し、ブランディングを統一
・「Enjoy my Japan global canpaign」でサイト訪問者の興味に合わせて100万通り以上のパターンで自動生成されるpersonalized movie が視聴できる仕組みになっている

JNTO- data aggregation and accumulation
・owned data
・cooperative application agent = Vpon , ADARA

せとうちDMO(成功例)
・SETOUCHI TRIP 富裕層ターゲット
・UK,独、米、仏にagency設置
・Web advertisement

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