経営学 Marketing

マーケティング

マーケティングとは

=顧客の価値を創造することで対価を得る活動
*調査⇒分析(数値化が必要)⇒課題解決⇒ブランディング(買いたいと思わせる)
*観光地域づくりブランディング(日経2019/4/4:柏木千春)
   ⇒観光客に「買いたい」「訪れたい」「交流したい」「暮らしたい」と思わせる

コトラー 2016「マーケティング4.0」
 カスタマージャーニーの5段階 ⑤周囲への推奨(advocate)

マイケルポーター
 CSV:creating shared value 社会課題を解決しながら企業価値を上げる(2011)

「デザイン シンキング」

ユーザーも気が付かない本質的ニーズを見つけ、変革させるイノベーション思考
5-Stage Plattner Stanford Design Thinking Process Model(d.school) 
1 . emphasis 顧客の立場に立ち、共感し、情報を集める
2 . define(problem) その情報を統合し、ニーズの本質が何であるかを決める
3 . ideate アイデアを出し合い、概念化する
4 . prototype 創造:概念化したものをもとに試作品をつくる。(問題点を探すことが目的)
5 . test 試作品を市場にだし、ユーザーの反応を見る

「アフターデジタル」藤井保文・尾原和啓(2019.1)

UX(ユーザーエクスペリエンス)=行動データxエクスペリエンスの時代
 *この接点ごとの行動データを使って、どのように良い体験を作り、接点間をいどうさせ、
  自社サービスのカスタマージャーニーへの顧客吸着度を高めるか

*アリババ UXの5段階
①penetration: デザインシンキングが、「デザイン」「テクノロジー」「ビジネス」を包括
         ⇒この3つの要素をすべてデザイン志向で考えるという変化
②diffusion: ①の「デザイン」「テクノロジー」「ビジネス」における、
      ビジネスオペレーション側のエクスペリエンスデザインを磨きこんだ段階
      (small business向けDXを支援することでplatform向けUXが出来上がる)
③evolution: オンラインを軸として多くの事業を再構築し、有機的に結合することで、
各事業はより多くの恩恵を享受することができる。(エコシステムを作るには、
既存型ビジネスをオンラインの方法論(OMO)で再構築することが必要)
④data driven: このようなエコシステムができると、リアル接点でのデータもたまり、
       膨大なデータが獲得できるようになる。
       ⇒これを 新たな技術に活用し、さらなるデータエコシステムを作る段階。
⑤holistic experience: 全体的な体験
  1つ目の観点:デザイン、ビジネス、テクノロジーのすべてが融合したものとして捉える
          ①トレンド②オペレーション③パーフォーマンス④データ⑤機能
          ⑥競合優位性⑦世論  においてバランスのとれた体験を指す
  2つ目の観点:NPSという指標を使って、エコシステムにおけるすべてのステークルダーが
         WIN-WINになる状態を目指す。
*デジタルで進化する人間的な個別対応
  ①自動化、最適化 空き時間を感動体験や密のコミュニケーションへ
  ②個別化 デジタル上で常時接続しているので、正しいタイミングで的確な対応が可能
 *ホスピタリティを徹底することで経済合理性が成り立つということが テクノロジーで
  実現しやすくなった(例:中国平安保険)
 *「モノ」から「寄り添いへ」
*高速化、細分化、ボーダレス化する「ものづくり」
  ・初めはそこそこの商品を出していたとしても、顧客ニーズに合わせて超高速で改善を回し
   最終的には顧客ニーズを最も捉えた商品を提供するようになる
*日本の強み ID(タグ付)よりIP(intellectual property)
  ・ユーザーにその世界観の上に乗ってもらい、そこで如何に自発的にコミュミケーションや
   体験を創り出していくかが求められている。(例:くまもとサプライズという町おこし)
  ⇒環境やシステムを設計して行動を促し、そこに生まれた体験に価値がある(温かさ)
*アフターデジタル時代のビジネス原理
  ①高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと
  ②ターゲットだけでなく、最適なタイミングで最適なコンテンツを、最適なコミュニケー
   ション形態で提供すること
 ⇒単一接点型から、常時寄り添い型
*新しい産業構造ヒエラルキー
  ・データのやりとりが新たなインフラとなり、最もお金を生み出しやすい「購買データ」を
   持ち、それを顧客IDとつなげられているプラットフォームがトップに君臨する
*企業に求められる変革
  ①組織構造は、顧客の体験(=ジャーニー)に沿った構造になっている必要がある
    ⇒広報、商品開発、マーケティング、セールス、カスタマーサクセス(CRM)
     「特定の段階・状況に置かれた顧客を相手にする」(商品ごとの組織はNG)
  ②状況指向での戦略規定
    ⇒常時顧客と接し、細かい状況とその人がおかれた日常が分かるようになる
    ⇒ジョブ理論と同じ(特定の状況に置かれた人が持っている、解決したい用事、課題)
  ③「ビジネスモデル」レイヤーの変革
    ⇒バリューチェーンからバリュージャーニーへ
     「どうやって顧客に寄り添うかが大切で、製品もただの接点の一つ」
    ⇒「UXグロースハック」と「UXイノベーション(デジタルを活用した新しい接点)」

「世界の経営者はいま何を考えているのか」(入山章栄・英治出版2012)

http://www.eijipress.co.jp/sp/keieigaku/review.php
実証分析の必要性

理論分析から導かれた仮説が、世の多くの企業に一般的に当てはまるかをテスト知る必要がある(トヨタの法則が他には当てはまらないこともある)

①ビジネススクールにおける経営学の位置付け(ウォートン・スクール)
・会計学 Accounting
・ビジネス経済学と公共政策 (Business Economics and Public Policy)
・ファイナンス (Finance)
・ヘルスケア経営 (Health Care Management)
・法学とビジネス倫理 (Legal Studies and Business Ethics)
・経営学 (Mangement)
・マーケティング (Marketing)
・オペレーションと情報経営 (Operation and Information Management)
・不動産学 (Real Estate)
・統計学 (Statistics)

②経営学の領域
・マクロ分野 経営戦略論、マクロ組織論、国際経営論、アントレプレナーシップ論、技術経営論
・ミクロ分野 チーム・グループ行動、リーダーシップ、人的資源管理

③経営学の流派
・経済学デシィプリン 人は本質的に合理的な選択をする
   マイケルポーター 「ファイブ・フォース」分析ツール
   オリバー・ウイリアムソン 取引費用理論
・認知心理学ディシプリン 人や組織は情報を処理する能力がなくそれが組織の行動に影響する
   ⇒イノベーション経営の分析に貢献
   ハーバード サイモン
   ジェームス・マーチ、ダニエル・レビンサール 野中郁次郎
・社会学デシィプリン ある組織と組織がどのように社会的に相互作用するかを研究
 バーニー [Resource based View] (RBV) 内部資源論 企業が持つ経営資源に着目

④ポーターの競争戦略だけでは通用しない
・ポジショニング SPCパラダイム structure performance conduct
1.産業を選ぶ 競合度が低く、新規参入が難しく、価格競争が起きにくい
  例:シリアル産業⇒Five forceでSPCの観点から好ましくない
     新規参入圧力、企業間の競合圧力、代替製品・サービスの圧力
     顧客からの圧力、サプライヤーからの圧力 
2.今いる産業の中でユニークなポジションを取る ⇒差別化戦略
  例:サウスウエスト航空
 ⇒持続的に利益を上げ続けるには、他社と競合しないことが大切
経営学のフロンティア
・ハイパーコンピティション リチャード ダヴェニ
 →競争優位の持続性が難しくなっている
  ・企業が競争優位を持続できる期間が短くなっている
  ・一度競争優位を失っても又それを取り戻す「一時的な競争優位の連鎖」を生み出すことが重要
  ・より積極的な競争行動をとる企業の方が高い実績を実現できる
  Competitive Dynamics 企業が積極的に競争行動をとることは業績の向上につながるのか?
  攻めか守りか?
   複数市場競争 Multi-Market competition
積極的な行動をとれる条件=ライバルとの重複が少ない サウスウエスト航空の例

⑤組織学習
・ラーニングカーブは存在する
・Transactive memory
  →組織の記憶力に重要なことは、組織全体が何を覚えているかではなく
   組織の各メンバーが他のメンバーの誰が何を知っているかを知っておくこと

⑥経営効果の分析
・何をすれば企業の業績は上がるのか?
   経営戦略の研究手法に回帰分析を用いることが多いが
   endogeneityの問題あり(シェイバー)
・モデレーティング効果 ダグラス・ミラー
ある変数から別の変数への効果の強さが、さらに別の変数によって左右されること
(企業が多角化から高い業績を得られるのは その企業が多様な知的財産を有するときに限る)
→見せかけの経営効果を排除するためには すべての因果関係を把握し ベンチマークとして
好調な企業だけでなく、不調な企業も調査することが重要

⑦イノベーションに求められる両利きの経営
両利きの経営 
知の探索 exploration=企業が知の範囲を広げるために新しい知を探す行動のこと
知の深化 exploitation= すでに持っている知識や同質の知に改良を重ね それらを深めて活用する
コンピテンシートラップ=当面の事業が成功すればするほど 知の探索を怠りがちになり 結果として 中長期的なイノベーションが停滞する
⇒イノベーションのジレンマがその本質経営者に求めているのに対し コンピテンシートラップはその本質を組織に求めている
⇒イノベーションの停滞を避けるために、企業は組織として知の探索と深化のバランスを保ち コンピテンシートラップを避ける戦略 体制 ルール作りを進めることが重要

⑧⑨経営学の3つのソーシャルとは何か
1. ソーシャル・キャピタル 人と人が関わり合うことで生まれる便益 近所付き合い 頼母子講
2. 関係性のソーシャル ネットワーク 弱い結び付きの方がより効率的に幅広い情報を得ることができる
3. 構造的なソーシャルネットワーク ネットワーク全体の構造に着目する ストラクチャーホール ネットワークのハブを持つ人が有利なので これを活用する
ソーシャルな関係が機能する条件
1.ソーシャルを活用する目的=深い情報を得るか、多様な情報を得るか
2.ソーシャルな結び付きを通じて得たい知識、情報の質
3.事業環境 不確実性の高い半導体産業は 多様な情報を必要とし、低い鉄鋼産業は 深い情報を必要とする

⓾日本人は本当に集団主義なのか それはビジネスにプラスなのか
・海外進出する際には4つの距離を定量化し、事前に分析する。
1.国民性 2.行政上 3.地理的 4.所得格差
⇒国民正の数値化が必要⇒ホフステッド指数、GLOBE指数
⇒これによると日本は必ずしも集団主義ではない
⇒自らの属する集団以外に信頼をおかず、協力関係を築けない可能性がある

⑪アントレプレナーシップ活動が国際化しつつあるのはなぜか?
・本来、起業家は情報交換、人脈づくりのため集積する
⇒しかし、現在は超国家コミュニティが発展、成立している
(母国への帰還などで、インフォーマルなコミュニティーが国境を越える)
⇒人の移動と逆方向に技術移転が進み 人に根づいた知識、インフォーマルな情報が国を超えて循環する

⑫不確実性の時代に事業計画はどう立てるべきか
事業計画の立て方 「計画主義」「学習主義」
⇒両者を合わせたもの=リアル・オプション 段階的な投資(=計画)
⇒小規模でスタート ある程度行った段階で、その時に撤退か継続か決める
⇒小さいリスクで、仮に大きな収益が見込めそうな場合の機会損失も防げる
  (合弁も一種のリアルオプション)
・リアルオプションの事業計画における注意点
 1. 仮定は仮定に過ぎないことを認識する
  (段階ごとにマイルストーン分析を行う)
 2. 「内生的不確実性」と「外生的不確実性」を仕分ける
   内生的=企業努力で不確実性を低下できる(外生的はできない)

⑬なぜ経営者は買収額を払い過ぎてしまうのか
経営者たちの「思い上がり」「焦り」「プライド」

⑭事業会社のベンチャー投資に求められることは何か
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)投資
⇒トヨタのような一般の事業会社があたかもベンチャーキャピタル企業のように若いベンチャー企業に投資すること
(コーポレートベンチャリング=大企業の内部において、あたかもスタートアップ企業のように自立性を持った新しい事業部署を立ち上げること)
⇒キャピタルゲイン以外の目的=CVCを通じてオープンイノベーションを活性化させる
(オープンイノベーションの手段=アライアンスが主であったが CVCも加わる)
⇒スタートアップ側は事業会社の技術や流通経路などの経営資源に期待
・CVCは、「知の探索」の格好な手段
・CVCは、リアルオプション(企業買収より低いコストで不確実性の高いスタートアップの技術や事業モデルにアクセスできる
・CVCのリスク=事業会社による技術の盗用、事業会社の経営方針の変更⇒信頼が重要

⑮リソースベーストビューは経営理論といえるのか
RBV(Resource based view)=企業が優れたパーフォーマンスを実現するための
内部ソース(人材、技術、ブランド、知識)に注目すべきという考え
・SCPが製品、サービスに注目した経営戦略理論であれば、
 RBVは、リソース(特許など)に注目した。
・バーニーの命題
1. ある企業の経営資源に価値があり、それが希少な時、その企業は競争優位を獲得する
2. そのリソースが、他社には模倣不可能で、それを代替するものがない時、その企業は持続的な競争優位を獲得する
⇒トートロジー(類語反復=言葉のすり替え)との批判を受けたが、バーニーは その理論が実証可能(数値を取ってデータ分析できる)であり、問題ないと反論した。
⇒社会科学では、「リソース」「競争優位」などの理論に使われる抽象化された概念のことを construct というが、概念が実存しているわけではないので、この世にある変数(variable)をデータから作る必要があるが、バーニーは、この命題がデータ化できると言っている。

⑯経営学は本当に役に立つのか 
・経営学のサファリ化→SCP paradigm, RBV, Dynamic Capability, 取引費用理論、agency理論、
Real Option, 組織エコロジー、Network理論, 制度理論、資源依存理論、Social exchange理論,
学習理論, Red Queen, オーストリアン経済学ーーーー
・理論が多すぎる 面白いものから実学的なもの(定型化された事実法則)を重視する必要がある。
・経営学の課題のまとめ
1. 経営学者の理論への偏重が、理論の乱立を引き起こしている
2. 面白い理論の偏重が、重要な経営の事実・法則を分析することを妨げている。
3. 平均に基づく統計手法では、独創的な経営手法で成功している企業を分析できない可能性が残る
  (例:サウスウエスト航空,トヨタ、GE)

⑰それでも経営学は進化し続ける 
・Evidence based managemet = 定型化された事実法則を企業経営の実践にそのまま応用しようという考え
・Meta Analysis = すでに存在する研究によって得られたデータを数多く集め、それを分析する
・Case study = 企業の内状を定性的に深く分析する(外れ値企業の分析①)
・ベイズ統計 = 母集団全体の平均的な傾向ではなく、観測対象となっている企業一つ一つのパラメーターを確率的に捉える。
・複雑系 = 「べき法則」の分析を活用

比較制度分析 青木昌彦

制度が生成する過程を複数の制度の生成過程を比較して分析する
・「人々の間で共通に了解されているような社会ゲームが継続的的にプレイされている仕方」
・「制度」はゲームの自己拘束的な均衡(第三者の強制によるものではなく、ゲーム参加者の合理的、最適な行動の結果として支配的かつ安定的になる均衡)で、「法律」は 「制度」そのものではなく、「制度」に影響を与える存在
・制度の概念化=5つの特徴が含まれている(多元的経済の普遍的分析)
①内生性
②情報縮約または要約表現
③頑健性または持続性(不断の環境変化や経済主体たちの示唆されたルールからのちょっとした逸脱行為に対して)
④普遍性(ドメイン内のすべての経済主体に対して関連性を持つ)
⑤複数性
⇒これらの特徴を持つ制度について フォーマルな定義を与える
⇒このフォーマルな定義により 諸制度の共時的・通時的な相互関係の性質を分析的に扱うことができる

https://www.rieti.go.jp/users/economics-review/012.html
内生的法理論(鶴光太郎 2003.3)
⇒法制度は経済システムの中で内生的に形成される
(法制度は、「不変的かつ外生的ファクターというよりは、民間の行動主体のゲームの自己拘束的な均衡をなぞるような形で内生的に形成され、そうした均衡、行動パターンを強固にする存在)

デジタル関連

2021/5/27 日経
*デザイン思考 他人がどうすれば満足するか考える
*アート思考 自分にとっての大義を追う+問いかけ

2021/5/27 日経 デジタル改革関連六法(2021/5/12成立)
①デジタル社会形成基本法
②デジタル庁設置法
③デジタル社会形成整備法
④地方公共団体システム標準化法
⑤公金受取口座登録法:マイナンバーで行政機関が口座情報を得ることができるようにする
⑥預貯金口座管理法:マイナンバーで災害時に給付

セールスフォースのV2MOM クラウド誕生(P299)ダイヤモンド社
VISION VALUE METHOD Obstacle Measure
https://www.salesforce.com/jp/blog/2020/06/how-to-create-alignment-within-your-company.html

MEMO

・①誰とやるか②何をやるか③どうやるか④いつやるか⑤どこでやるか

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