治水

様々な堰堤

畳堤 通常の堤防の上に、畳の差込口をつくる。
   増水時、住民がその差込口に畳を入れて、洪水を防ぐ
   ①揖保川(龍野市)、五ヶ瀬川(延岡市)、長良川(岐阜市)

地蔵原堰堤(福島 荒川)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/119644

御囲堤
家康が伊那忠次に命じる 木曽川~犬山間、名古屋側の堤防を低くしている
cf:水越の策(広島・太田川)

日本三大美堰堤
 ①白水堰堤(竹田・雄物川) ②藤倉堰堤(秋田・雄物川) ③長篠堰堤

堰堤
・本庄水源地堰堤 1918 旧呉鎮守府水道の貯水池
・西広堰(千葉ー養老川)堰の可動構造に特徴
  https://www.chiba-muse.or.jp/SCIENCE/saihiro/index.html
・勝沼堰堤(山梨県) 水制工はT型 
      https://www.yamanashi-infra.jp/infrastructure/691/
・間瀬(まぜ)堰堤(本庄市児玉):東日本最古の重力式コンクリートダム
  https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/167212
・石井樋 成富兵庫茂安が佐賀市の治水と給水のため 嘉瀬川に造る
  象の鼻、天狗の鼻、千栗土居、
  馬の頭(うまんかしら)(松浦川から桃の川用水)=日本最古の伏せ越し
  http://www.kasegawajiku.jp/file/400nensai_2015.pdf
・遥拝堰 加藤清正 球磨川にかけた、斜めの堰(八の字堰)
     →水流を弱めるとともに 治水にも利用
  遥拝堰(国土交通省九州)

「自然に学び 自然をいかす 治水の知恵」(リバーフロント研究所 2013年)

・歴史的に見た治水技術の変遷
 *戦国時代 信玄堤(甲州流)
 *戦国末~江戸 加藤清正、富士川(雁堤)
 *江戸 伊那流(関東流) 家康家臣 伊那忠次より 利根川の東遷
      ある程度の洪水を想定→蛇行、乗越堤(越流堤)、控堤、流作地(遊水地)
     紀州流(井沢弥惣兵衛為永)
      洪水は滞留させず、なるべく早く流下させる→強固な堤防、直線的な川
・控堤 百姓伝記巻七防水集「大河の堤防は川の流れに沿って内外に二重に築くのがよい」
 *中条堤(利根川) *日本堤・隅田堤(荒川)
 *千栗土居(筑後川/成富兵庫茂安)荒籠(堤防崩壊を防ぐための強固な水刎ね水制
  ・安武堤(久留米藩)
・霞堤 「甲斐国志」雁行に差次して重複せる堤
 *手取川 島集落 村囲堤
 *安部川 薩摩土手 大谷崩れより大量の土砂 下記は「安倍川水系河川整備計画」
https://www.cbr.mlit.go.jp/shizukawa/river/seibi-abe/
 *信玄堤 水を以て水を制する 釜無川と御勅使(みだい)川の合流地点
      「高岩」(御勅使川を受ける)「石積出し」(御勅使川扇頂部の河道の安定を図る)
      「将棋頭」(流れを分散させ水勢を弱める)「十六石」(釜無川を高岩に誘導)
      「出し」「信玄堤」「雁堤」
http://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no32/02.html
 *富士川 「雁堤」(本堤、備前堤、九十間堤防)「水神の森(水神社・護所神社)」「尼が淵」
       十六夜日記:富士渡る、朝河いと寒し、数ふれば十五瀬をぞ渡りぬる」
       古郡孫太夫重政
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000021704.pdf
https://www.ktr.mlit.go.jp/koufu/koufu_index032.html
・加藤清正 轡塘(桑鶴等) 川の一部を拡幅し 洪水時にはその拡幅部を遊水地とする
      鼻ぐり井手、緑川、菊池川、浜戸川
http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/river/midorikawa/midorikawa_rekishi/index.html
輪中堤 木曽三川「囲堤」尻無堤⇒懸廻堤(安藤萬壽男) 「水屋」
KISSO
https://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/KISSO/index.html
・大井川扇状地 舟形屋敷(三角屋敷)

近自然河川工法(福留脩文)

水の持つ本質的な働き、太陽の光の働き、そこからの食物連鎖などの生態系を守る
①小田川(愛媛県五十崎町)②精進川(北海道)③加納川(愛知)
④矢作川(愛知) 木戸則詞氏と 近自然・児ノ口公園を作る
「境界をつくらない」
「河川の物理環境をよくすると 藻類や水生昆虫が増え、次いで魚類が増えるそのための工事が近自然工法」
関正和「大地の川、天空の川」
水制工
川の中に石を置く→石の周りの流れが速くなり他の石が表面に出てくる→苔が生える→鮎が来る

スイス クリスチャンゲルティー氏が始める

cf:多自然川づくり(1990) 河川改修時に生物の良好な生息環境に配慮
 https://www.mlit.go.jp/river/kankyo/main/kankyou/tashizen/04-kanto.html

和算家と測量術

江戸時代、全国に和算が広まり、和算の問題を作っては神社に算額を奉納していたが、測量技術を持つ和算家も多く存在し、実学として重用された。伊能忠敬が「大日本沿海輿地全図」を作成できたのも、日本各地で測量技術が発達していたことがその基礎となっている。
和算が土木工事に用いられた指南書に算法普請手引集がある
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3512422/15
また、実際に和算家が用水路工事に携わった例として下記があげられる。
①廣田和三郎(淡路島)。山田川を高山から取水し、大石池に引き桃川村を潤した。文久3年貫通
http://www.wasan.jp/kinkikaisi/tokubetu.pdf (近畿数学史学会 1985.7)
②竹内度道(信州豊野)
農業用水を組み上げるための水車を設計
③彦坂範善(三河豊橋

日本各地の治水家

①金原明善 浜松の豪商 天竜川の治水に功績 等 農林水産省HP参照
https://www.maff.go.jp/j/nousin/sekkei/museum/m_izin/index.html
②沖野忠雄 『日本の治水港湾工事の始祖』淀川改修 神戸大学論文
③尾高惇忠 1890 治水新策 堤防高厚なれば水害大にして多く
              堤防低薄なれば水害難くして少なきなり
④西師意 内閣府防災ページ 防災 富山
⑤上野英三郎 農業土木、農業工学の祖
⑥熊沢蕃山 「川除の道」旭川の洪水対策 洪水時に上流の田畑に溢れさせる
⑦諸戸北郎 日本砂防の祖 生態水文学研究所 犬山に林業遺産
⑧岡田将監善同、善政(よしあつ、よしまさ)「濃州国法」美濃の治水制度 後に笠松郡代へ
  国土交通省中部HP

中国の治水家

①郭守敬 元の水利科学者
②賈譲 漢時代 黄河の治水家 賈譲三策
③潘李馴 明時代の黄河治水家 束水攻沙 水を一つに束ねて砂を押し出す 越流堤、遊水地

その他事項

・北原白秋
  色にして 老木の柳うちしだる 我が柳河の 水の豊けさ

・「運河と閘門」(財)リバーフロント整備センター
北海道4代運河 ①幌向 ②馬追 ③花畔銭函(ばんなぐろ) ④札幌茨戸(創成運河) 北垣国道

・日本の川と災害(学習資料)
http://www.kasen.net/

・反対運動 長良川河口堰、吉野川第十堰、千歳川放水路、川辺川ダム

・水害防備林 福島荒川、久慈川、吉野川、錦川

・田んぼダム(宮城県HP:田んぼダム

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